三平方の定理 文章題(中3-高校入試)
・解説動画
【問題】
図のような台形 ABCDがある。AD=4cm、BC=12cm、∠ADC=90°、∠DAC=60°、AD//BCであり、線分 ACと線分 BDの交点を E とする。
(1)角ACBの大きさを求めなさい
(2)線分BDの長さを求めなさい
(3)三角形EBCの面積を考えなさい
(1)角ACBの大きさを求めなさい
問題文にもあるとおり、ADとBCは平行線となっていますから、角ACBと角DACの錯角は等しい。同じ角度であることがわかります。
ここで詳しくは扱いませんが、平行関係の場合、錯角は等しくなるものなんでした。
∠DACが60°なので、∠ACBもそのまま60°であることがわかります。
答:60°
(2)線分BDの長さを求めなさい
【考え方】
線分BDの長さを求めるには、今以上に何がわかればよいでしょうか。
現在わかっているのは、
- ∠BCDの大きさ
- 線分BCの長さ、そして
- 線分ADの長さ
です。
∠BCDの大きさについては、∠ACBが60°、そして三角形の内角の和=180°から、∠ACDが30°。
ここから∠BCD=90°であることがわかります。
そして、∠BCDの大きさが90°なので、三角形BCDは「直角三角形」であることがわかりました。ということは、線分CDの大きさがわかれば三平方の定理から線分BDの大きさもわかります。
【CDの長さを求める】
60°の角を持つ直角三角形の場合、3辺の長さの比は1:2:√3。
すなわち、三角形ACDの場合、ADの長さの比が「1」、CDの長さの比が「√3」、ACの長さの比が「2」となります。
【ポイント】
なお、60度に対応するのが√3なのか2なのか忘れてしまった、そんな場合覚えておくとよいポイントがあります。
それは、
「角の大きさと向かい合う辺の大きさは対応する」
ということ。
今回の三角形ACDの場合、60°と向かい合う線分CDの比が√3、90°と向かい合う線分ACの比が2、30°と向かい合う線分ADの比が1となっていることがわかります。
問題に戻って、CDの長さを求めましょう。
三角形ACDは60°の角を持つ直角三角形なので、AD:CD=1:√3。
問題文より線分ADの長さは4ですから、よって4:CD=1:√3。比の計算を行って、CD=4√3
比の計算の復習をすると、内側同士、外側同士をかけて「=」で結ぶんでした。
今回の4:CD=1:√3の場合、内側がCD×1、外側が4×√3、よってCD×1=4×√3
CD=4√3
これでCD=4√3ということがわかりました。
あとは三平方の定理より、
BD^2 =CD^2 + BC^2、
すなわち
BD^2=4√3^2 +12^2
=48+144 、BC=8√3
答:BC=8√3
(3)三角形EBCの面積を考えなさい
【考え方】
こちらも考え方を確認しておきましょう。
三角形EBCの大きさを求めるには、今以上に何がわかればよいでしょうか。
現在わかっていることから使えそうなのは、
- 線分BCの長さ=12
- 線分CDの長さ=4√3。
あと、1)の問題がヒントになっていますが、
- 三角形EBCと三角形EDAが相似
です。
ということは、点Eから線分BCへと下ろした垂線とBCの交点を点Pとすると、EPの長さがわかれば、三角形EBCの大きさがわかることになります。
で、三角形EBCと三角形EDAは相似なので、点Eから線分ADへと下ろした垂線とADの交点を点Qとすると、
BC:DA=EP:EQ
3:1=EP:EQ
ということで、EPとEQの比がわかりました。あとはCDの長さがわかっているので、
EP =3 / 1+3 × 4√3 =3√3
従って三角形EBCの大きさは、
1/2 × BC × EP
= 1/2 ×12 × 3√3
=18√3
答:18√3
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